健診で血圧が高いと言われると、「すぐ治療が必要なのか」「家で測り直せばよいのか」と迷うことがあります。一度の測定だけで高血圧と決まるわけではありませんが、家庭血圧の記録や症状の有無をあわせて確認することが大切です。
自覚症状がない場合でも、結果表の判定区分や所見欄を見ておくと、次の対応を考えやすくなります。数日分の家庭血圧を記録し、気になる症状がないかも確認しておきましょう。
家庭血圧の測り方を知っておくと、健診結果だけでは分かりにくい日常の血圧を把握しやすくなります。
家庭血圧の測り方、医療機関に相談するタイミング、日常生活で見直しやすいポイントをまとめます。健診結果をどう見ればよいかも、あわせて確認します。
健診結果は、まず判定区分と所見欄を確認し、家庭血圧を数日分記録するための材料として使いましょう。
- 家庭血圧の測り方と相談目安の把握
- 受診先や検査内容、薬を使う場合の考え方
- 生活習慣を見直すときの続けやすい工夫
健康診断で血圧が高いと言われたら|家庭血圧と受診目安
健診の血圧と家庭血圧をどう見ればよいかを見ていきます。
診察室と家庭の基準値
健康診断の結果を見る際は、診察室で測定した数値と家庭で測定する数値で、基準が異なることがあります。
診察室で測る血圧と、家庭で測る血圧では、判定の目安が異なることがあります。結果表の基準値や医師の説明を確認しながら、家庭での記録もあわせて見ていきます。
医療機関では緊張で血圧が上がることがあります。そのため、健診で高めの数値を指摘された場合は、自宅で数日分の血圧を記録して、普段の傾向を確認することが大切です。
【用語解説】白衣高血圧とは、普段は正常な血圧であるにもかかわらず、医師や看護師の前で測定すると緊張によって血圧が一時的に上昇してしまう状態のことです。
血圧目標の考え方
血圧の目標は、年齢、持病、症状、ほかの検査値によって変わります。結果表の数値だけで一律に判断せず、家庭血圧の記録もあわせて考えます。
血圧の管理では、診察室での数値と家庭での数値を分けて見ます。どの程度を目標にするかは、年齢、既往歴、ほかの検査結果によって変わるため、医療機関で確認してください。
健診で高めの数値が出た場合は、まず家庭血圧を記録し、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。数値の程度や症状によっては、健診結果を持参して相談します。
緊急性の高い数値

血圧がかなり高い場合や、症状を伴う場合は、早めに相談した方がよいことがあります。
結果表で高い血圧を指摘された場合は、数値の程度と症状の有無を確認します。頭痛、胸痛、息切れ、めまい、視界のぼやけなどがある場合は、早めに医療機関へ連絡してください。
高い数値が続く場合は、結果用紙と家庭血圧の記録を準備して相談します。まずは内科で相談し、必要に応じて循環器内科などを案内されることもあります。
最高血圧が180mmHg、あるいは最低血圧が110mmHgを超えるような高値が続く場合は、緊急の対応が必要になることがあります。安静にしても数値が下がらない、または強い自覚症状を伴う場合は、夜間や休日も含めて医療機関へ連絡先を確認し、指示を受けてください。
正しい家庭血圧の測定方法と血圧計の選び方

受診時に状況を伝えやすくするため、家庭での血圧を同じ条件で測ることが大切です。
上腕式血圧計
家庭で血圧を記録するなら、腕にカフを巻いて測定する「上腕式」の血圧計が一般的です。
手首式は手軽ですが、測定時の高さや姿勢によって数値が変わることがあります。医療機関で相談するときに使う記録としては、上腕式の血圧計が案内されることが多いです。
記録しやすい機種を選ぶと、毎日の測定を続けやすくなります。
ご自身の使いやすさに合わせて、続けやすい血圧計を選びましょう。
朝晩の測定タイミング
血圧は一日のうちで変動するため、測るタイミングをそろえると傾向が確認しやすくなります。
朝は起床後、排尿後、朝食や服薬の前に測る方法がよく用いられます。夜は就寝前など、毎日続けやすい時間を決めて測ります。
毎日できるだけ同じ条件で測ると、普段の血圧の傾向を確認しやすくなります。
- 起床後1時間以内(排尿後、服薬・朝食前)
- 就寝前(座った状態で1〜2分安静にした後)
- 毎日記録をつけて、数日間の平均値を確認する
安静な測定姿勢
血圧は姿勢や測る環境でも変わります。
椅子に座り、足を組まず、腕を机に置いて測ります。カフの位置が心臓の高さに近くなるように調整しましょう。
測定中の会話やスマホ操作は避け、少し落ち着いてから測ると記録が安定しやすくなります。
同じ姿勢で測った記録は、受診時に血圧の傾向を伝える材料になります。
高血圧で相談するときの診療科と確認内容
受診を考えるときは、どこに相談すればよいのか、どのような検査を行うのかが気になる方も多いでしょう。
受診する診療科
血圧が高いと指摘された場合は、まず内科で相談することが多いです。必要に応じて循環器内科を案内されることもあります。
かかりつけのクリニックがある場合は、健診結果を持参して相談しやすいでしょう。症状やほかの検査値によって、追加の検査や専門診療科への相談を検討することがあります。
受診先に迷う場合は、健診結果と家庭血圧の記録を持って、内科などで相談してください。
検査内容の確認
確認する内容は、症状、診療内容、既往歴、ほかの検査結果によって変わります。受診前に医療機関へ確認してください。
- 問診、血圧測定、身体診察
- 必要に応じた血液検査や尿検査
- 症状や既往歴に応じた心電図などの検査
検査項目は、血圧の程度、症状、既往歴、ほかの検査結果を見ながら決まります。
血液や心電図の検査
血圧の診療では、数値だけでなく、体への影響を調べる検査を行うことがあります。
血液検査や尿検査では、高血圧の原因となる状態がないか、腎臓などへの影響がないかを確認することがあります。心電図では、心臓への負担や不整脈の有無を確認することがあります。
血液検査や心電図などを組み合わせて、原因や体への影響を確認します。数値が高い方は自己判断せず、健診結果と家庭血圧の記録を持って医療機関で相談してください。症状や既往歴、ほかの検査値によって判断は変わります。
血圧を下げる生活習慣改善に取り組むメリット
血圧管理では、生活習慣の見直しが大切な要素になります。
コンビニ減塩
忙しい生活の中では、コンビニを使う日でも塩分を意識する工夫ができます。
食品表示を見たり、汁物の汁を残したりするだけでも、塩分を意識しやすくなります。できる範囲で続けることを優先しましょう。
塩分を控えることは、血圧管理を考えるうえで大切な取り組みの一つです。外食や市販品が多い方は、できるところから見直してみましょう。
適度な有酸素運動
ウォーキングなどの有酸素運動は、無理なく始めやすい血圧対策の一つです。
運動の量や強さは、体力や持病によって調整が必要です。まずは短い時間から始め、続けられる範囲で増やしていきます。
無理のない範囲で、まずは週に数回から始めて、身体を動かす習慣を身につけていきましょう。
適切な体重管理
体重が増えている場合は、体重管理も血圧を考えるうえで大切です。
体重や腹囲の変化は、血圧やほかの検査値にも関係することがあります。急な減量ではなく、食事と運動のバランスを見直すことが大切です。
無理なダイエットではなく、食事と運動のバランスを見直して、適正体重を維持することを目標にしましょう。
良質な睡眠の確保
睡眠不足や睡眠の質の低下は、血圧の変動に関係することがあります。
睡眠を確保すると、生活リズムが整い血圧の変動を見直しやすくなります。いびきが強い、眠っても疲れが取れない、無呼吸を指摘されたことがある場合は、健診結果とあわせて医療機関で相談する材料になります。
生活リズムを整え、眠りやすい環境を作ることも、血圧管理を考えるうえで役立ちます。
合併症リスクを意識した管理
血圧が高い状態が続く場合は、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まることがあります。家庭血圧の記録と健診結果をもとに、生活改善でよいのか、検査や治療が必要かを医療機関で確認しましょう。
血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかることがあります。早めに数値の傾向を把握し、生活習慣や治療の方針を見直すことで、将来の合併症リスクを下げられる可能性があります。症状や既往歴、ほかの検査値によって判断は変わります。
血圧が高い状態が続く場合は、早めに傾向を把握し、自分に合った対策を考えていきましょう。
血圧対策で生活習慣を見直す際のデメリット
生活スタイルを変えることは、慣れるまで多少手間に感じることもあります。
外食の選択肢が減る
外食やテイクアウトのメニューは、味付けが濃く塩分が多い傾向にあります。
減塩を意識し始めると、これまで好んでいたラーメンや丼もの、揚げ物中心のメニューを避ける必要が出てくるため、楽しみが減ったと感じるかもしれません。付き合いでの外食が多い方は、メニュー選びに迷うこともあるかもしれません。
しかし、最近では健康志向の飲食店も増えているため、新しいお気に入りのお店を見つけるきっかけにするという考え方もあります。
自炊の手間が増える
塩分をコントロールしようとすると、どうしても自分で調理する機会を増やす必要があります。
出汁をとったり、酸味や香辛料を使ったりすると調理の手間が増えることがあります。忙しい日が続くときは、毎日の自炊が負担に感じることもあるでしょう。
市販の減塩調味料や便利な調理家電を導入するなどして、手間を減らしながら継続できる工夫が求められます。
運動時間の確保
忙しい日々の中で、運動のための時間を毎日捻出するのは意外と大変なものです。
運動習慣がなかった方にとっては、まとまった時間を確保するのが難しいと感じることもあります。最初は短い時間から始めるほうが、無理なく続けやすいです。
通勤時に一駅分歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常の動きを少し増やす方法から試すと続けやすいです。
血圧の薬を飲み始める基準とやめられる条件
高血圧と診断されると「一度薬を飲み始めたら一生やめられないのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。
薬を使い始める基準
血圧の薬(降圧薬)を飲み始めるかどうかは、単なる数値だけでなく、個人のリスクに応じて判断されます。年齢、症状、既往歴、検査値によって対応は変わります。
薬を使うかどうかは、血圧の程度だけでなく、家庭血圧の記録、症状、既往歴、ほかの検査結果をあわせて考えます。生活習慣の見直しで経過を見る場合もあれば、早い段階で薬の治療を検討する場合もあります。
薬は血圧を安定させ、心臓や血管への負担を減らす目的で使われます。始めるかどうか、量をどうするかは、家庭血圧の記録も踏まえて医師と決めます。
薬を卒業できる可能性
「薬は一度飲み始めたら一生続くのでは」と心配する方もいます。
薬で血圧が安定し、減塩や減量などの生活習慣が続いている場合は、医師の判断で薬を減らしたり休止したりすることもあります。薬を減らせるかは、家庭血圧の記録や検査結果を見て決まります。
ただし、薬をやめる・減らす判断は自己判断で行わず、家庭血圧の記録を持って医師に確認してください。状況や検査結果によって対応は変わります。
記録アプリを使う場合
血圧や生活習慣の記録を続ける方法の一つとして、スマートフォンの記録アプリを使うこともあります。
記録方法は紙のノートでもアプリでも構いません。続けやすい方法を選び、受診時に家庭血圧の変化を伝えられるようにしておきましょう。
利用できる条件は、診療内容や医療機関によって変わります。詳しくは受診時に確認してください。
血圧の記録は、紙の手帳やスマートフォンのアプリなど、続けやすい方法で構いません。受診時に数日分の記録を見せられると、普段の血圧の傾向を伝えやすくなります。
健康診断で血圧が高いと言われたら|家庭血圧と相談のタイミングに関するQ&A
まとめ:家庭血圧を測定して適切な対策を始めよう
健診で血圧の高さを指摘されたときに確認したいポイントをまとめます。
ご自身の結果表や家庭血圧の記録と照らし合わせて確認してください。
- 診察室血圧と家庭血圧では、判定の目安が異なることがある
- 一時的な緊張による「白衣高血圧」の可能性を考慮し、数日間の家庭血圧を記録して医師に提示する
- 血圧の目標は、年齢や既往歴、ほかの検査値によって変わる
- 高い血圧が続く場合や、頭痛・胸痛・息切れなどがある場合は早めに相談する
血圧の値は年齢や既往歴、生活環境によって、その緊急性や対応が変わります。まずは家庭での血圧測定を数日分記録し、健診結果とあわせて内科などで相談してください。必要があれば、循環器内科などを案内されることもあります。
家庭血圧の記録を持って、自分の状態に合った対応を医療機関で相談してください。
参考文献・出典
- 日本人間ドック・予防医療学会|判定区分表等に関するQ&A|2024年
- 国立がん研究センター がん情報サービス|がん検診について|2026年

